概要文
東京都中央区に本社を構える繊維の製造販売会社「ダイトウボウ」では、テンセルという天然由来の精製セルロース繊維を活用した商品開発を通じて、国内外のふとんメーカーや企画問屋、小売業者と連携し、新たな睡眠市場の開拓に取り組んでいます。素材の魅力を最大限に活かしながら、環境性・機能性・感性価値を兼ね備えた商品を展開し、消費者からの高評価を獲得。今ではテンセルを中心とした商品が市場でのポジションを確立しつつあります。
顧客概要
- クライアント属性:国内ふとんメーカー、企画問屋、海外輸出業者、小売業者(弊社ECサイト含む)
- 活動地域:日本全国および海外向け
- 取り扱い商品:テンセルを用いたニット生地、ふとん用中わた(改質ワタ)など
- 市場特性:清潔・安全・環境志向を重視する消費者層向け寝具市場
ご依頼の経緯
2010年以降、羽毛原料の価格が急騰したことをきっかけに、「羽毛に代わる高機能な天然素材」を求める声が市場から急速に高まりました。特に清潔性、安全性、国内生産へのこだわりを持つ消費者の間で、人工繊維ではなく自然由来の素材へのニーズが増加していたのです。そんな中でクライアントからは、「テンセルのような天然由来の繊維を活用し、安心かつ機能的なふとん用素材を開発したい」「テンセルの良さをもっと消費者に知ってもらい、価値ある商品として育てていきたい」という相談が持ち込まれました。
担当者のコメント
テンセルのような精製セルロース繊維は、吸湿性・放湿性に優れ、肌触りもなめらかで、近年注目されているエコ素材の一つです。しかし、ふとんの中わたとして使用するには、従来の繊維特性では「がさつき感」や「選択時のフェルト化し、綿が固まって硬くなる」などの問題がありました。
そこで当社は、ふとん用わたとしての機能性を高めるために、油剤メーカーと共同で嵩高性を向上させる独自の油剤を開発。この油剤を繊維に付与することで、精製セルロース繊維本来の性能を保ちつつ、従来の欠点を克服しました。これにより、テンセルを中わたとして実用可能なレベルにまで高めることに成功しました。
また、素材開発だけに留まらず、長期的にテンセルの魅力を市場に広めていくため、弊社を含む5社で「ドリームラップ会」を結成。業界の枠を超えた連携体制により、テンセルの認知拡大と商品開発を同時に進行する体制を整えました。
お客様からのメッセージ
消費者の間でも「テンセルって肌触りがいい」「環境にやさしくて安心」といった声が増えており、商品としての信頼性が高まりました。これにより、従来の羽毛製品に代わる選択肢として、テンセルを使った寝具が新しい市場を切り拓いています。